プラットフォーム固有の最適化を新たなレベルに引き上げたNH-D15 G2には通常、HBC、LBCの3種類があります。

標準モデルNH-D15 G2は一般的な推奨品です。他の大部分のNoctuaヒートシンクと同様、中程度のベース凸面を採用しています。付属のオフセットマウントをお使いいただくことで、AM5では最適な結果を提供し、付属のNM-ISW1シムワッシャー (コンタクトフレーム) により、ILMの圧力によるCPUの変形を軽減します。

HBC（High Base Convexity) バージョンは、完全なILM 圧力で使用されるか、もしくは長期使用で永久に変形したLGA1700プロセッサー向けに最適化されています。CPUの凹面形状にもかかわらず優れた接触品質を提供します。
LBC(Low Base Convexity) バージョンは、比較的フラットなCPU向けに最適化されています。そのため、オフセット実装なしでもAMD AM5や他の比較的平面なCPU (AM4、LGA2066、LGA2011、ラップまたはカスタムのフラットヒートスプレッダーなど) 上でも優れた接触品質を提供します。

3つのバージョンとヒートシンクの接触品質のFAQについて

NH-D15 G2 のパフォーマンス特性およびファン速度オフセットについて

NH-D15 G2は、NoctuaのシンボルともなるNH-D15をさらに改良した第二世代になります。最先端の速度オフセット構造を備えたNF-A14x25r G2 PWMファン、8本のヒートパイプ、正確に微調整された非対称フィンスタックにより、受賞歴のある旧モデルよりもさらに優れた静音冷却性能を実現します。そのため、G2バージョンは、大部分のオールインワン (AIO) 水冷ソリューションの効率に匹敵するNoctuaの真の旗艦となることでしょう。

比較的、フラットなCPU向けに最適化された特殊なLow Base Convexity (LBC) バージョンは、付属のオフセット取り付けオプションが使用されない場合でもAMDのAM5プロセッサー上で優れた接触品質を提供します。

さらに向上したパフォーマンスと、大部分の現行マザーボードの上部PCIe x16 スロットに干渉しないオフセット構造により、互換性も強化されています。

G2バージョンは、NM-SD1ドライバーを備えた Torx® ベースの SecuFirm2+™ マルチソケット取り付けキットとプレミアムなNT-H2サーマルコンパウンドを付属しています。また、ヒートシンクやファンまで実装、サーマルペースト、付属品のパッケージに至るまで、ほぼすべての点でより一層洗練されています。Noctua の信頼できる6年間のメーカー保証により、最高の品質を最高のサポートでお使いいただけます。

詳細

次世代のパフォーマンス

オリジナルのNH-D15は市場で最高の空冷クーラーとして認められています。G2バージョンは、象徴的な旧モデルの有名な静かな冷却性能をさらに向上させることで、この伝統を継承しています。特に熱負荷が高い厳しい環境では、NH-D15 G2は最大数度低い温度を達成できるため、より高いターボクロック速度を可能にするサーマルヘッドルームを提供します。

最適化された非対称フィンスタック

NH-D15 G2 は、新しいNF-A14x25r G2 PWMファンの優れたエアフローと圧力性能を最大限に活用できるように、入念に最適化されています。ファンの P/Q 性能の向上により、フィン間隔を1.9mmから1.6mm減少することにより、23枚の追加フィンを統合し、フィンの総表面積を20% 増加することを実現。同時に、フロントフィンスタックの幅が5mm減少され、2台のファン間の負荷のバランスがより均等になりました。

高いパフォーマンス、よりコンパクトサイズ

最新のNF-A14x25r G2ファンによって可能になったフィン密度の向上、非対称フィンスタックとスタック間の隙間がわずかに小さくなったことで、G2バージョンは、オリジナルのNH-D15と比較してパフォーマンスの向上とわずかにコンパクトなサイズを兼ね備えています。(ヒートシンクの奥行は 9mm小さく、ヒートシンクの幅、ファンを含む全高は同様)。

8 heatpipes for superior performance at higher heat-loads

8本のヒートパイプにより、より高い熱負荷でも優れたパフォーマンスを実現

NH-D15 G2 は、オリジナルの NH-D15 と比較して、6 つのヒートパイプではなく 8 つのヒートパイプを使用します。追加のヒートパイプの熱容量の増加は、オリジナルの NH-D15 よりもパフォーマンスが最大に向上する 250 W 以上のような極端な熱負荷で特に役立ちます。

Three variants for platform-specific optimisation

プラットフォーム固有の最適化のための 3 つのバリエーション

可能な限り最高の冷却パフォーマンスを実現するには、ヒートシンクとCPUの間の最適な接触品質が不可欠です。現在のCPUプラットフォームは接触面の平坦性とホットスポットの位置の点で大きく異なるため、NH-D15 G2は中程度のベース凸面を持つ通常のオールラウンドバージョンと、特殊な LBC (低ベース凸面) および HBC (高ベース凸面) を備えたバージョンで利用できます。) さまざまなシナリオで可能な限り最良の接触を確保するために、さまざまなバリエーションが用意されています。

Regular all-round version with medium base convexity

特化した HBC (High Base Convexity) バージョン

High Base Convexity (HBC) バージョンは、ILM (Independent Loading Mechanism) の圧力によりソケットが閉じたときに強く凹面になるCPU上で最適な接触品質を実現します。そのため、ILM圧力を軽減するためにワッシャーやいわゆるコンタクトフレームが使用されていない場合、もしくはCPUが長期使用で永久に変形した場合には、Intel LGA1700プロセッサーに最適です。詳細については、FAQをご覧ください。

PCIe クリアランスを改善するためのオフセット設計

NH-D15Sと同様に、NH-D15 G2は、PCIe スロットに向かう隙間を増加させるために、マザーボードの上端に向かってオフセットされています（I/O パネルに向かって吹く標準的な向きで取り付けた場合）。これにより、最新のマザーボードの上部の PCIe x16 スロットをクリアできるようになります(マザーボードの互換性をご確認ください）。

High RAM compatibility in single fan mode

シングルファンモードでの高い RAM 互換性

NH-D15 G2は凹んだ下部フィンにより、シングルファンモードで高さのあるメモリヒートシンクに対して少なくとも59 mmの隙間を提供します。そのため、市場のほとんどのハイエンド RAMモジュールとの互換性を持ちます。デュアルファンモードでは、NH-D15 G2 は標準高さのRAM (最大 32 mm、RAM 互換性リスト) と合わせて使用する必要があります。

2台のNF-A14x25r G2 ファン

Noctuaの次世代 NF-A14x25r G2ファンは、円形フレーム140mm ファンのパフォーマンス対ノイズ効率の新しいベンチマークとなります。優れたノイズパフォーマンスと優れたエアフローおよび圧力特性は、NH-D15 G2 が伝説的な前モデルを超えることを可能にする基礎の 1 つです。

最適なノイズのための速度オフセット

2本のファンがプッシュプル構成でまったく同じ速度で動作する場合、それらのノイズ相互作用により、断続的な振動や周期的ノイズなどの望ましくない高調波現象が発生する可能性があります。したがって、NH-D15 G2 で使用されている 2 つの NF-A14x25r G2 PWM ファンは、最適な音響を確保するために、速度がわずかにオフセットされています。

広速度範囲のPWM制御

NF-A14x25r G2 PWM ファンは、最大速度1500rpmから300rpmまでPWM 制御できます。これにより、自動温度ベースのマザーボード速度制御または NA-FC1などの手動コントローラーを使用して、最大のパフォーマンスまたはほぼ無音の動作になるように調整することが可能になります。

ファン0% PWM で停止

マザーボードまたはPWMファンコントローラによってファンが0％PWMデューティサイクルに設定されると、ファンは停止します。
これは、自動的にファンをオフにして、サーマルが可能であればアイドル時に完全に静かに動作するセミパッシブ冷却を備えたセットアップを作成するのに理想的です。

ローノイズアダプター
NH-D15 G2は、1500から1300rpmへ最大ファン速度を減らすローノイズアダプター（L.N.A.）搭載しています。ローノイズアダプターは、自動でPWMコントロールを使用する際に、一定速度1300rpmを維持しながらファンを回転させたり、また、最大速度を制限する場合に使用します。

優れたコンポーネント冷却

フィンスタックの下に延びる大型のNF-A14x25r G2 ファンはNH-D15 G2の優れたCPU冷却機能に貢献するだけでなく、マザーボード周辺のヒートシンクやVRMなどの周辺機器に大量のエアフローを提供し、優れた冷却性能を保証します。

SecuFirm2+™ Torx-based multi-socket mounting system

SecuFirm2™ マルチソケットマウンティングシステム

NoctuaのSecuFirm2™ マウンティングシステムは品質、安全そして使用し易さを考えたシステムです。Torx ベースのSecuFirm2+™ バージョンと付属のドライバーは、さらに優れた操作性と耐久性を提供します。Intel LGA1851, LGA1700, LGA1200 and LGA115x (LGA1150, LGA1151, LGA1155, LGA1156)、AMD AM5＆AM4をサポート。

AMD AM5用オフセットマウンティングツール

NH-D15 G2には、Noctua のAM5 用オフセット取り付けバーが付属しています。ソケットの南側に7mm の距離をおくことで、CCDの真上により多くの圧力がかかります。そのため、ホットスポットでの接触が改善され、LBCバージョンは一般的には 1°Cの差をつけることができ、HBCバージョンは近い距離に置くことができます。

Compatibility with past and future sockets

旧＆最新ソケットとの互換性

Noctua のSecuFirm™規格に準じて、NH-D15 G2はオプションのNM-I3マウンティングキットを使用することにより、旧LGA1366＆LGA775ソケットと互換性を持ちます。また、NM-I3マウンティングキットはNoctua社で無料にご提供いたします。更に、技術的に可能であればNoctua社は最新ソケット用のアップグレードキットも提供します。